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勢いついでにまだまだ投下します


「流される感情」


 いつだったか忘れたが、私は浮気をしたことがある
たいした罪悪感も無く、相手が傷つくことも気にせず
自分の感情に流されるまま、ただただ男を求めたのだ。


 しかしその浮気は、当時の恋人にばれることもなく
浮気相手の男がぼろぼろになっただけで、全てが終わった。


 自分が流されやすい弱い人間であること、人を傷つけることに
抵抗の無い人間であること、それは私を構成する大事な要素であって
そうでなくなってしまったら、私は私でなくなってしまう。

 自分では自分のことを悪いなんて思っていないから、他人になんと言われても
私は自分の性格を矯正しようなんて、微塵にも思わない。

「あなたは冷たい人ね、私をこんな目にあわせても悪いなんて思っていないでしょ?」
また始まった、これだから自分が一番かわいい女って嫌い
ちょっとした事ですぐ傷ついて、それを人に言いふらすんだから迷惑極まりない
私は、面倒くさそうに答える。感情なんて少しも込めずに。
「ええ、思っていないわ。あなたが自分の事を悪人だと思っていないようにね」
「何で私が悪人なのよ?あなたに言われたくないわ」
「人は誰だって悪人よ、自覚が無いだけで」
「あなた、そういえば自分が許されると思っているの?」
「あら?自分で自分を腹黒いという人間よりはマシだと思うわ
そんなこと無いよ、って言われたいがためにそういう風に
自分で自分を貶すなんて、馬鹿馬鹿しいにも程があるもの」
彼女の肩は、怒りでわなわなと震えている。
「何であんたはそう、私に食って掛かるのよ」
「食って掛かってなんかいないわよ、言いたいことを言っているだけ
 そんな風に感じるなんて、私の言っていることが全部図星なのかしら?」
「なっ……、あんたいい加減にしないと」
彼女は私に向かって、右手を振り上げた。殴るつもりだろうか
私は少しもおくさず、淡々とした口調で言葉を返す。
「なに?手を出したって、あなたの立場が悪くなるだけよ
 私が怪我をして、あなたに慰謝料をもらって、それで終わりね」
私の頬に手が届く直前に、彼女の手は止まった。
「……っ、もう良いわ。あなたと話してても埒が明かない」
彼女は悔しそうに舌打ちをすると、振り返りもせずに去っていく
ヒールを響かせて歩いていく後姿は、悔しさと怒りに満ち溢れていた。
「ふうっ……、何でこう面倒くさいのかしらね、ああいう人は。
 自身に欠点があるのがわかっているなら、それを埋める努力を
 すればいいのに、それをせずに人を妬むなんて、どうかしてる」

 人に対しては攻撃的になるくせに、自分が同じ事をされると腹を立てる
そんなの勝手すぎる。人にされて嫌なことならば、自分もしなければいいのに
文句を言うだけ言って逃げるなんて、自分の非を認めないのと一緒だ。
私が文句を言われるだけならかまわないけど、その文句を他人にまで言うのは
やめてほしい。私個人はどうなってもかまわないけれど、他人にまで自身の
不快な気分をぶつけるのは、どうかしているとしか思えない。


 仕事が出来ても、恋人が出来ても妬まれるなんて、なんて面倒くさいんだろう。
私はただ仕事に集中したいだけなのに、何か事を成すたびに周りから文句を
言われていたのでは、身が持たなくなってしまう。出来る人間を妬む前に
努力をしろと、そういう連中には言ってやりたい。
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